サビットのうんちく


初対面時
そこの武器を抱えて突っ立ってるお前。そう、お前だ。こっちに来い。
おい、そこのお前。
 タリア『わたし?
お前、武器は好きか?
 タリア『好きじゃないわ。
そうか。俺は大好きだ。武器を眺めながらうんちくを語るのが俺の生きがいだ。
 タリア『ヒマな人ね。
もし、珍しい武器を手に入れたら俺のところに見せに来い。とっておきのうんちくを聞かせてやるぜ。
俺は普段はここの市場の裏通りにいるからな。待ってるぜ。じゃあな。
 タリア『武器マニアってことかしらね?

ソードブレイカー
お?お前、面白い剣を持ってるじゃねえか。ちょっと見せてみろ。
こいつは、ソードブレイカーの一種か?ソードブレイカー自体、一風変わった武器だが、こいつの形は珍しいな。
ソードブレイカーってのは、特に細身で軽量な剣を使う相手に、攻撃を受け流すだけでなく受け止め、そこからその剣身を積極的に折ってやろ うっ て代物だ。
普通は刀身の峰側が櫛状になってて、そこに剣をかませて折りにいくもんなんだが、そいつはどうやら二つの刀身の間に挟んで折ろうって魂胆 らし い な。
しかし、この構造だと逆にソードブレイカー側の刀身が折れる危険性もはらんでいるような…こんな変わりダネの武器を使ってるなんて、お 前さんたち、相当の変態さんだな。
 タリア『武器には詳しくないの。私、陶芸家だから。

秘剣トルネード
ん?お前の持ってるその剣は…ちょっと見せてみろ。
こいつは秘剣トルネード!まさか実際に拝むことができるとは。夢じゃねぇよな。
その昔、騎士団全盛の時代に、守銭奴ながら実力はピカイチだった伝説の傭兵が使っていたと言われる宝剣だ。
お前さんの仲間に剣技デミルーンが使えるやつがいるなら、この傭兵に敬意を示さなくちゃなんねぇよ。なんでも、この世て最初にデミルーン を閃 いた のは、この傭兵らしいからな。
いやぁ、それにしてもこの装飾、そしてこの曲線美!間違いねえよ。俺の鑑定眼に狂いはねぇ。

サムライソード
面白い武器は見つかったか?どれどれ…
ふむ、これはサムライソードだな。なかなかいい得物をもってるじゃねぇか。そいつは「カタナ」という切れ味すさまじい古代の刀剣を模倣し た武 器 だ。
カタナってのは、サムライと呼ばれた古代の戦士たちが好んで携えた武器で、玉鋼という専用の鋼鉄を鍛えて造られたそうだ。
サムライソードはカタナの再現を目指して造られ、その過程で大変な試行錯誤を重ねたものの、肝心の鍛冶技術が絶えてしまっていてな。
結局、切れ味は本物のカタナには及ばないと言われているが、それでも形状は限りなくカタナに寄せてあるから、カタナが持つ独特の剣筋に近 いも のは 出せているって話だ。
ちなみに、現存する数少ないカタナはすべて、帝国の関係者が所有しているって噂だぜ。

カタナ
お前!その剣はまさか!見せろ!
うおおお、まさか、こいつは本物のカタナか!?どこで手に入れた?ああ、見ろよ、この刀身の優美な反り。こいつは先反りってやつだぁ。
いいか、カタナってのは、この刀身の反りが重要でさ、反りのおかげで、斬った時に刀身を引く力が自然に生まれるから、よく切れるし持ち手 への 衝撃 も吸収してくれる。
それに、直刀より重心が身体の近くに寄るから、持った時には実際の重さよりも軽く感じるんだ。
そして、この刀身を波打つ刃文。ああ、なんて美しいんだ。どれどれ、地肌は?地肌の方はどうだ?おおっ?金属の層が織りなす模様が見えな い。
こいつが鏡肌ってやつかぁ。きっと上等で均質な玉鋼を鍛えて造られたんだろうなぁ。惚れ惚れするぜぇ。はぁはぁ、ちょっと舐めてみ ても いい?
 タリア『マニアというのは、どうしてこうなるのかしらね。私も気をつけないとね。

矛・克
なんだか矛の話がしたくなってきたぞ。丁度いい、聞いていけ。
なかなか質のいい矛を持っているな。ところで、お前さん、槍と矛の違いを知っているか?
 タリア『槍も矛も、陶芸には使わないのよ。
そうかそうか、よし、いっちょ俺がとっておきのうんちくを語ってやろう。俺ぐらいのマニアになると、槍と矛の違いの話だけでメシ3 杯は いけ ちまうんだ。
まず、初心者の諸君に覚えてもらいたいのは、矛より槍の方が刺突に優れた作りだってことだ。逆を言えば、槍は斬ることを捨てたとも言え る。
んで、ここからが玄人の判断基準だが、穂先の凸部分を柄の凹部分に挿して固定するのが槍、柄の凸部分を穂先の凹部分に挿して固定するのが 矛 だ。
この手の長柄武器は、この柄との接続部分の強度が運命を分かつだけに、とても大事なところではあるんだが、実はこの玄人向けの分類方法に も例 外が あってだな……
(暗転)
……やがて祭器としての側面を持つようになると、穂先はどんどん幅広いものになっていったんだ。って、おい、聞いてる?

ツインスパイク
お!珍しい槍を持ってるな。見せな!
むむっ、ツインスパイク!ツインスパイクと来たか!こんな武器を持っているとは、お前さん、なかなかの武器コレクターだな?
昔々、ある腕利きの鍛冶職人が唯一無二の無双の槍を造るよう、皇帝から命じられた。ところが、どうしたことか、会心の出来の穂先が二つ出 来上 がっ てしまった。
無双を謳う槍が二本あっては、どうにも格好がつかない。しかし、二つの穂先にはどうにも優劣付けがたく、職人は悩みに悩んだが、無情にも 皇帝 へ槍 を献上する日はどんどん迫っていた。
って、ツインスパイクの所有者に今更するような話じゃなかったな。悪い悪い。俺、この話、大好きなんだ。
 タリア『なんとなく展開が読めるけど、続けてよ。
え?ツインスパイクの所有者ともあろう者がこの話知らないってのか?そいつはいけねぇ。いいか、じゃあ、よぉく聞いとけ。
献上日がアスへと迫った時、職人は、ふと、ある逸話を思い出した。かつて、初代皇帝が空飛ぶ冥魔と戦った際、皇帝とその盟友との同時攻撃 が決 め手 になったという話だ。
そして、職人は閃いた。二つの穂先を一本の柄に備えることを。こうして、まさに無双、かつ双璧を内包する槍が誕生したというわけだ。
 タリア『当然の決断ね。二つ付いててもいいじゃないの。

エストック
今回は小剣について語ってやる。ありがたく聞きな。
これはエストックだな。一般的にエストックは、どういうイメージだ?
 タリア『バカな貴族が決闘に使う武器でしょう?
ちがーーーーーーーーーうッ!!そりゃあ、レイピアのイメージだ!
エストックは刺突戦法専用の刀剣であることには違いないが、当初は騎乗した者同士が攻撃し合う際に用いられた武器だ。細長い刀身には両刃 を備 え、 断面はひし形状をしている。
そして、その形状こそが、実用性と汎用性の高い防具として人気のあったメイル系の鎧の天敵となり得た所以だ。
鋼線のリングを編み込んだチェーンメイルや甲片をつなぎ合わせたラメラーメイルは、斬撃に対して有効だったが隙間を貫通する刺突攻撃には 向い てな かった。
このおかげで一時はエストックが流行の最先端になったって訳さ。もちろん今でもメイル系の鎧の使い道は十分に存在するがね。
服の流行りと違って、武器の流行りは、そのとき主流になっている防具の打破って思考が存在するから面白いんだぜ。

赤薔薇の星
お前の持ってるその小剣は!見せろ!
まさか、これは赤薔薇の星かっ!前にオークションで落とし損ねてさ、それはそれは悔しい思いをしたんだ!
どういう経緯でその武器がお前と巡り合ったか知らないが、それを持つからには、その武器の伝説は知っておけ。どうせ知らないんだろう!?
 タリア『知らない方がいい話も多いと思うけど。
その昔、美しい冥魔の女と逃避行をした男がいた。長き旅の果てに、二人は砂漠にある幻のオアシスにたどり着いたそうだ。
そこには永遠の寿命を授けると言われる泉が湧き出ていた。男は、冥魔の女と同じ、永き寿命を得たいと願い、泉の水を口にした。
だが、その泉の力には代償が伴った。最も大切な者の命が必要だったのだ。冥魔の女はすぐさま、真っ赤な血を散らして死に絶えてしまった。
男は悲しみのあまり、その場にあった女の鮮血を浴びた剣で自害した。その時の剣が、この「赤薔薇の星」と言われているのだよ!伝説という か ファン タジーな話だろ?
 タリア『冥魔には女も男もないし、低次元な作り話だわ。

フランシスカ
お前の持っているその斧について語りたい。語りたくて仕方がねえ。
おおっフランシスカ!この武器、俺は好きだぜ!なにしろ投げて使うことを前提として造られた斧だ!白兵戦の最中、てめぇの得物を投げちま うな んて まっとうな考えじゃねえよな!
だが、簡素な見た目に寄らず、古代では成人のみが持つことを許され、売買も禁じられていたという、意外と伝統のある武器なんだ。
見ろ、この刃先。上向きに湾曲しているだろう?これは投げた時にちゃんと当たるように、こういう形をしているんだ。
有効射程はベテランなら15mってところだが、斧が一回転するのに約3m飛翔するから、ちゃんと刃を当てるには的との間合いが重要になる ぜ。

金の斧
お!そのピカピカした斧は!ちょっと見せてみろ。
あれぇ?お前さん、これ金の斧じゃないか?どうやって手に入れたの?ねぇ?
実は俺、ウォーアクスを精霊に泉に落としたことがあってさ。そしたら不思議なことに泉から精霊が現れたんだ。で、その精霊が金の斧を持っ て て、こ れはお前のか?って言うんだよ。
金の斧だぜ?欲しいだろ?だから俺、ついつい、うん、と嘘をついちまったんだ。すると精霊は無言ですっと消えちまった。
あれ、何て答えたらもらえたんだろうなぁ?金の斧を持っているって事は、お前さん、知ってんだろ?

戦闘弓
弓は好きか?俺は好きだぜ。ふふふ…
懐かしいなぁ、戦闘弓じゃねぇか。昔、放浪中にパルム城を通ろうとした時、どういうわけだか捕らえられてしまって投獄されそうになったこ とが あっ たんだ。
牢屋に連れていかれる途中でさ、そんな状況じゃないのはわかってたんだけど、そこにいた弓兵が持ってた弓が気になっちゃってさ。
だって、セルフボウなんか使ってんだぜ?あ、セルフボウってのは一種類の材料で造られた弓のことなんだけど、強度も飛距離もしょぼいん だ、こ れ が。
で、そこで一言、講釈たれたわけ。弓の外側には引っ張る力、内側には押しつぶす力に強い材料を用いたほうがいいとか、そんな基本的なこと さ。
そうしたら、そこの侯爵がえらく気に入ってくれて、今後も新しい知見を共有することを条件に、顔パスで通してもらえるようにしてくれたん だよ な。 その時に改良した弓がその戦闘弓だってわけさ。

(管理人注釈:本文で出てくる公爵とは現パルム公爵であるチアーゴ・リズボアのことです。彼に弓の知識が無いのは適正を持っていないから との こと。)

死の弓
その弓は!いや、まさかな…
おい、その弓、どうしたんだ……?そいつは俺も目をつけてたから知ってるんだが、リーア辺境州の妖精ハンターが持ってた死の弓だろう?
俺がいくら交渉しても、どれだけ金を積んでも譲ってくれなかったのに!そ、れ、を!お前が何故持っている……?まさか、殺してでも 奪い 取ったりは、してねえよな〜?
ふん、まぁ、野暮な追求はしねぇよ。その代わり、それ、じっくり見せてくれ!

(管理人注釈:『殺してでも奪い取ったりは、してねえよな〜?』はロマサガ1のセルフパロディです。)


そうだな、今日は槌だな。槌の話にしよう。さあ来い。
槌かぁ。戦場の即席工事道具って側面も強いが、殴打武器としても基本的なものだな。
プレートメイルでガッチリ身を固めた相手は斬り倒すのは難しいし、矢も通らないだろう?鎧の隙間を細い武器で突くのにも技術がいる。
だけど、叩き潰すとか殴り飛ばすとか、そういうのって力さえあれば誰でもできるから、殴打武器ってのは扱い易いんだよね。
て訳で、一時期大流行したこともあったのさ。まあ射程の問題や、小回りの利かなさもあって、他の武器の発達によって今はそうでもないが ね。

スリッジハンマー
(未調査)

栄光の杖
あー、杖について語りたい気分だ。杖杖杖杖…その杖は!見せろ!
火行術の修業のお供、栄光の杖か。この杖を持つ者は、どんな術を使っていても火行術の修得ができると言われている。
ところで、この栄光の杖はどうやって手に入れたんだ?グレートスタッフから強化したなら、次の機会には別の強化を試してみるといい。
確か、無常の杖と言ったはずだが、どこか特殊な鍛冶屋で強化できるそうだ。俺は術のことは詳しくないんだが、術の修得を目指す者にとって 貴重 な存在らしいぞ。

ブリムスラーヴス
おお!その杖は!ちょっとこっちに来い!いいから早く!
これはブリムスラーヴス!杖自体が強い魔力を帯びていて学術的にも注目されていた術具じゃないか!
研究者が厳重管理指定していたにも関わらず紛失したと聞いていたが、よくこれを入手できたな。
ある文献によると、過去に特定の人間が触れた際に光を放つことがあったらしいが、未解明のままとのことだ。何かわかったら俺にも教えてく れ よ!

特定の武器を3種類見せた後
…大事な話がある。こっちに来い。
 タリア『あら、今日は武器のうんちくは語らないの?
俺はお前に付いて行くことに決めたぞ。
 タリア『何よ、いきなり。
お前といると、まだまだ珍しい武器が見れそうだしな。まあ、よろしく頼むぜ。
 タリア『それじゃあ、武器をたっぷり喰らってもらおうかしらね。
 カーン『身をもって知れということだな。



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